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お話しを少しepisode

#1

インテリアブランドを作ろうと思ったきっかけ①

建築の仕事を辞めて家具への道に転向を決めた当時、自分でブランドを作ることなんて考えもしていませんでした。
だけど心のどこかでずっと引っかかっていた想いや家具製作の現場で知ったことなどがきっかけでいつしか“理想の物が無いんだったら自分で作ってみようかな。”というエネルギーに変わりました。
きっかけは大きく分けて3つありました。

1つ目のきっかけは “物の一生を考えたこと”でした。

“とりあえず”という気持ちでモノを買うことにずっと違和感を感じていました。簡単にモノが捨てられていくことに心のどこかに痛みを感じていました。

たくさんの物に溢れ、安くて便利な物が簡単に手に入る世の中。そういった物を必要としている人はたくさんいるし、時には助けられることもあります。

だけど、とりあえず買っておこうとか、安いからいいや、とかそういう気持ちで物を買ってしまうことにもどかしさを感じてしまいます。
気に入ったものを愛着を持って長く使い続けられたらいいな。物を購入する際にいつもそんな想いを抱いていました。

ロングライフを見据えた時、どういったものが理想なのか?
ライフスタイル、素材、サイズ感、機能面、テイストなど‥まだまだニーズに応えられるんではないかと思っています。

物の一生はその物への愛着心と物の本質(素材)によって変わってくると思っています。
まずは自分が気に入っているかどうか。そしてその物自体が5年後、10年後の経年劣化でどう変化していくのかを見据えて、生活に寄り添うインテリアを提案していきたいと思っています。

#2

インテリアブランドを作ろうと思ったきっかけ②

2つ目のきっかけは
”住空間や家具には身体に良く無い物が使われていると知ったこと“でした。

私も子どももアレルギー体質ということもあり、なるべく安全なものを使いたいと思っていました。
しかし建築資材や家具製作の工程には接着剤や塗料が必要不可欠です。
その中にはシックハウス症候群や化学物質過敏症の原因となる物質が入っています。具体的にはホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物(VOC)が含まれているのです。
安全性の高いアピールした製品もありますが、VOCが全く入っていものは無いようでうす。F☆☆☆☆使用の製品だから必ず安全とは限らず、食品添加物と同じで国が認めているから必ず安全ということではないのです。(※)
このことは作り手も使い手も意外と知らない人が多く、知らないうちに健康被害にあっていたりします。

恥ずかしいことですが私もその一人です。残念なことにそこでシックハウスになってしまいました。仕事柄、様々な住環境で暮らしてみたいという興味心から新しい家やリフォームされたての綺麗な家に4件ほど移り住みました。それまで、日常的にくしゃみや咳の症状はほぼ無かった人生から一変。酷い鼻炎と咳、喉の痛みなど様々なアレルギー症状と一生向き合うことになったのです。

住空間において身近な例を上げると、接着剤はテーブル天板や棚板で使われる板材(合板やパーティクルボード等)や壁紙を貼る時に使用されます。また家具を組み立てる際には木と木の接合部、ソファのクッション材などに使用されています。

赤ちゃんは大人の2倍以上の呼吸量をしていると言われています。赤ちゃんや子ども、ペットなど身体が小さいほど、またそういった場所での滞在時間が長いほど負担が大きくなってしまいます。

住空間は安全が当たり前の場所であってほしいと思っています。
まずはそういったことを知らずに生活している方にも知ってもらいたいし、住空間の安全性について少しでも理解を深めて欲しいという想いがありました。
だからインテリアを提案するにあたって、健康被害に影響のない安全な物を提案したいと思いました。安全なインテリアを作り上げていくことは簡単なことではないですが、課題に向き合いながら挑戦していきたいと思っています。

※F☆☆☆☆とはホルムアルデヒドの放散等級で☆の数が多いほど安全性が高いとされている。

#3

ブランドを作ろうと思ったきっかけ③

3つ目のきっかけは
“自宅の家具に欲しいものが見つからなかったこと。”でした。

自宅を建て、楽しみにしていた家具選びでした。
インテリアショップをたくさん歩き回り、日夜インターネットで探す日々。
どれも可愛いな、かっこいいな。と思うのですが、失礼ながらにも“これが欲しい!”と心が踊るようなインテリアに出会えなかったのです。

自然素材でもテカテカにコーティングされたものではなく、木目の凹凸感が感じられるような素材の素朴さや、アンティークさが感じられるようなものを探していました。だけど足場板のリユース品や古びたアンティーク品よりももう少し衛生面や品質への安全面を求めていました。また直線的なかっこいいラインも自分の好みではなかったり‥。そんな訳でなかなか欲しいものが見つからず、しばらくの間は家具の無い生活を送っていました。

漠然としていたデザインの好みが、自宅インテリアの購入がきっかけではっきりしと整理されたように思います。
素材の素朴さとしなやかなシルエット。ここが着地点でした。
素材の素朴さで心地よさを。インテリアのアクセントにもなり得るしなやかな曲線ライン。そんな家具が欲しかったのです。

だからSUI INTERIORのデザインは自分軸の提案になってしまうのですが、そういったものを提案したいと思っています。

以上がインテリアブランドを立ち上げる3つのきっかけでした。
それがブランドのぶれない軸になり、その想いが商品化に繋がっていきます。
時間に妥協されないゆっくりなもの作りですが、気長に楽しみに待って頂けると幸いです。
これからどうぞ宜しくお願い致します。

#4

織タオルのパッケージのこと

織タオルの商品化が進んでいくと
タオルのパッケージを検討するタイミングがやってきました

一般的なパッケージはお客様の手元に届く役目を終える捨てられてしまうものがほとんどです。よくある箱や帯などパッケージは費用もそれなりにかかるものなのにすぐ捨てられてしまうことに勿体無さを感じていました。
何かいい案がないかな?SUI INTERIORらしさを出せるパッケージって何だろう?それまでにあれこれ案はあったけど、どれもしっくりこなくてたくさん悩みました。やっとたどり着いたのが昔ながらの日本の暮らしの知恵である“風呂敷”。
風呂敷の始まりは奈良時代。天皇の御物を保管する包み布であり、正倉院にはその布が現存しているようです。今でこそあまり見受けられませんが時代を超えて日本には包み布の文化が残っているのです。
調べていくうちに風呂敷の万能さに気付かされました。1枚の布が形を変えて色んな用途に使えてとても魅力的なのです。下記に一例を記していますがそれ以外にも本当にたくさんの使い方があるので、是非一度ネットや書籍で調べてみてください。

<使い方案>


小〜中サイズ

  • 小物の包み布として
  • ハンカチ
  • バック内の整理
  • 台拭き

中サイズ

  • ブックカバー
  • 三角巾
  • お弁当包み
  • 冷蔵庫のお野菜の保存用
  • 瓶の包み布として

中〜大サイズ

  • 結び方をアレンジしてバックに
  • 旅行時に衣類などのまとめ用に
  • カバーリングバック

SUI INTERIORのオリジナル風呂敷は透け感のある薄手のコットン100%の生地です。
天然素材で軽くて乾きやすいです。またコットン素材なので耐久性や吸水性もあり様々な使い道で暮らしに人役買ってくれるくれることでしょう。捨てる前に生活のどこかで役立ててほしいと思っています。

風呂敷で物を丁寧に包む時のわくわく感や整っていく気持ちよさ。自分の心と向き合ってみるものまた大事な時間だなと思います。

参考文献:ふろしきハンドブック